公的年金

年金 免除申請の条件は?国民年金保険料の免除の方法や注意点を社労士が解説

学生で収入がない、新型コロナの影響で失業したなどで年金の納付が困難な方には、免除制度があります。免除という名称から納付したことと同じと思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では免除制度の概略から申請方法まで詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 年金の免除制度の対象は、国民年金加入者のみ
  • 所得に応じた免除制度があり、他にも納付猶予という制度もある
  • 免除制度で満額納付となるのは、産前産後免除のみ
  • 免除の承認を受けても、追納しないと将来の年金額は下がる
  • 未納と免除は全く異なる
  • 免除申請書の書き方解説

1.免除制度の対象者は?

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方はすべて国民年金に加入し、保険料を納める義務があり、日本に住む以上、40年間は国民年金に加入しないといけません。

なお、サラリーマンや公務員の方など、厚生年金に加入している人は、毎月の給与から年金保険料は天引きされていますので、年金未納や免除の問題にはなりません。

また専業主婦など配偶者の扶養に入っている方も配偶者を通じて年金保険料を払っていることになりますので、未納ではありません。

ポイント

年金免除制度の対象者は、国民年金に加入している方や加入すべき方(国民年金第1号被保険者)で、例えば、自営業者、無職の人、学生、フリーター、日本で留学中の外国人などになります。

このような方々が年金保険料の納付が難しくなった際に活用する制度が、免除制度になります。

2.国民年金の免除制度とは?

国民年金の免除制度とは、本人や世帯主、配偶者の前年所得(申請が1月から6月の場合は前々年の所得)が一定額以下の場合や、失業などで納付が困難な場合は、申請することで国民年金保険料の納付が免除されるという制度です。

申請して承認されて初めて免除となります。また、申請先は、年金事務所やお住いの市区町村の国民年金課が窓口になります。

2-1.免除の審査は、「家族の前年の所得」も審査される。

国民年金の納付は国民の義務ですので、本人が納付できない場合は、家族が納付することになります。免除の審査は、本人、世帯主、配偶者の3者の前年の所得を個々に見て判断される点に注意が必要です。

免除申請は以下の種類があり、要件に合致したものが承認されます。

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除
免除の対象となる、具体的な所得の承認基準は下記のとおりです。(2021年度)

前年の所得が以下の計算式で示した「金額の範囲内」の場合、全額免除または一部免除に該当します。

【全額免除】の所得基準

(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

【3/4免除】の所得基準

88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

【半額免除】の所得基準

128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

【1/4免除】の所得基準

168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

  • 申し込み月より、約2年前まで遡って申請できます。
  • 審査には2〜3ヵ月かかります。申請後に保険料を納付し免除が認められた場合、納付した保険料は還付されます。
  • 任意加入被保険者は免除を受けることができません。
  • 震災や水害等の被災者は、上記基準に関係なく免除に該当することがあります。
  • 全額免除または一部免除が承認されると、付加年金料および国民年金基金は納付、利用できません。また、付加年金および国民年金基金は、さかのぼっての加入ができません。

2-2.納付猶予とは?

納付猶予という制度もあります。申請することで保険料の支払いを先延ばしにできる制度です。(将来的には全額支払う必要があります。)

納付猶予の承認基準は年収と扶養人数により審査されます。

例)旭川市 納付猶予制度の承認の目安について

なお、免除と納付猶予の違いを以下にまとめました。

国民年金の保険料免除と納付猶予の違い

免除 納付猶予
承認された期間の

納付義務

保険料を払う義務がなくなる(追納は可能) 納付義務は残るが、保険料の支払いを先延ばしできる。(将来的には満額支払う必要がある。)
将来の年金額への反映 あり 免除割合により異なる あり(追納が前提の制度のため)
対象者 20歳から60歳未満 20歳から50歳未満
所得審査の対象 本人・世帯主・配偶者 本人・配偶者
追納可能期間 10年 10年
申請の要否 必要 必要

2-3.免除や納付猶予と、未納は全然違う!

どうせ払えないなら、免除や納付猶予を申請するだけ無駄と思うかもしれませんが、「未納」と「免除」では全く異なります。

違いを以下まとめましたので、払えない方はまずは市区町村の国民年金課に相談されることをお勧めします。

未納と免除の違い

未納 免除・納付猶予
受給資格期間 算入されない 算入される
年金額への反映 反映されない 免除割合に応じて反映される(納付猶予はその後納付した場合は反映)
追納 2年前の分までしか納付できない 10年前の分まで納付できる
当該期間中の障害・遺族年金 原則もらえない(ケースバイケース) 原則もらえる(ケースバイケース)
督促、差押えの可能性 あり なし

3.その他免除の種類

ほかにも以下の5つの免除制度があります。

・法定免除

・学生納付特例

・失業等による特例免除

・臨時特例免除

・産前産後免除

3-1.法定免除

以下の方は、年金の支払いが免除さることになっています。

(1)生活保護の生活扶助を受けている方

(2)障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている方

(3)国立ハンセン病療養所などで療養している方

法定免除だけは、条件無しの当然免除ですので、申請ではなく届出といいます。

「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を市区町村の国民年金課に提出することが必要です。

3-2.学生納付特例(納付猶予)

国民年金は20歳から加入義務がありますが、学生の方は納付が難しい場合があります。そのため、学生向けの「学生納付特例」という制度があります。

大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校等に在籍する学生等で、「本人」の前年所得が基準以下の方は、申請することで保険料が納付猶予となります。

<申請基準>

本人の前年所得が128万円 +(扶養親族等の数×38万円)+社会保険料控除額等以下の学生

学生納付特例は、前述の納付免除と異なり、「本人」の所得で判断されますので、この年収基準であれば、ほとんどの学生が対象になるのではないでしょうか。

ココに注意

ただ、「納付猶予」の制度ですので、将来納付する必要がある点、また申請を怠って未納状態にならないように注意が必要です。

3-3.退職や失業等による特例免除

失業や退職してすぐに働かない方も免除申請ができます。退職・失業した日の属する月の前月から翌々年の6月まで年収を0円として計算されます。(世帯主および配偶者の方の分は0円にはなりません)

そのため、独身でひとり暮らし世帯の方は免除に該当します。

この場合、雇用保険受給資格者証の写しや雇用保険被保険者資格喪失確認通知書など、失業していることを確認できる公的機関の証明の写しが必要になります。

3-4.新型コロナ感染症の影響による免除(臨時特例免除)

令和2年2月以降に新型コロナウイルス感染症の影響により収入が一定基準以下に減少した方、廃業、失業した方は、特例免除の申請ができます。

3-5.産前産後免除

産前産後免除は平成31年に新たに新設された制度で、国民年金第一号被保険者で平成31年2月1日以降に出産された方を対象にした免除制度です。

ココがポイント

出産予定日の属する月の前月から4ヶ月間(多胎は6ヶ月)の保険料が免除され、その間は「全額納付したことと同じ扱い」です。

自営業、フリーランスの方や学生の出産時には忘れずに申請すべき制度です。

参考:日本年金機構 産前産後免除リーフレット

3-6.免除制度の一覧表

免除制度についてまとめると下記のとおりです。

※「失業等による特例免除」は、申請者本人、世帯主または配偶者のいずれかが退職(失業等)された方が利用できる制度です。

※「臨時特例免除」は申請者本人のほか、世帯主や配偶者が上記のいずれにも該当するときにも、この簡易な手続きによる申請ができます。 

4.免除承認されても、保険料の追納は必ずしよう!

免除について説明いたしましたが、全額納付したことと同じ扱いとなるのは産前産後免除だけで、他は追納をしないと年金額が減ってしまいます。

重要!

追納とは、追納が承認された月の前10年以内であれば遡って納付でき、将来もらえる年金を増やすための制度です。

免除を承認されても、追納しないと将来の年金額は減ってしまいますので、注意が必要です。

また、3年度以降経過して(正確には免除を受けた月の属する年度の4月1日から起算して3年を経過した以後に)追納すると、当時の納付額に経過年数に応じた加算額が上乗せされる仕組みとなっています。

できるだけ早めに支払うようにしましょう。

4-1.参考 将来の年金を増やす方法は?

免除期間は、追納しない限り、将来の年金は満額は支給されません。

追納に加えて、将来の年金を増やす方法として、任意加入制度があります。任意加入制度とは、60歳以上65歳までの5年間、国民年金を納付することで65歳からの年金を増やすことができる制度です。

いくつか条件があるのですが、60歳以降で会社勤めしていない(厚生年金に加入していない)人という条件がポイントです。定年延長や再雇用で働いている方は、厚生年金に加入しているケースがほとんどです。

任意加入制度は、60歳以降の話ですし、その前から将来に備えて準備したい方は、iDeCoや個人年金保険などを活用して将来に備える方法もあります。

5.免除申請の方法、申請書解説

それでは、具体的な申請免除の方法をご案内いたします。

5-1.必要書類の入手方法

必要書類は、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」で、入手方法は以下の3つです。

・年金事務所、もしくは市区町村の国民年金課に行く

・日本年金機構のHP、もしくはねんきんネットからダウンロード

・コールセンターに電話して郵送を依頼

申請は、7月から6月が1年のサイクルとなっています。

例えば2020年4月から2021年3月分の免除申請をしたいときは以下の2枚を提出する必要があります。

・2020年4月から2020年6月までの申請書

・2020年7月から2021年3月までの申請書

5-2.申請書の記入方法

記入不備があると戻されて再提出が必要となります。そのため、必要書類を準備して市役所や年金事務所で確認しながら記入するのが確実です。

ですが、年金事務所が遠い、仕事で時間が取れないという方は郵送で行うこともできますので、記入のポイントを解説いたします。

日本年金機構ホームページより引用、追記

メモ

➀ 住所・・住所が住民票と違う方は、住民票の住所を記入します。

➁ 特記事項・・単身赴任などで配偶者と住所が違う方は、配偶者のマイナンバーを記入します。

➂ 免除区分・・記入不要です。希望する免除だけ審査してほしい方は〇をつけます。

④ 申請期間・・令和に〇をし、申請期間が2020年7月から2021年6月までは2と記入(2年度)します。2021年7月から2022年6月までは3と記入(3年度)します。

➄ 特例認定・・退職や失業した方が対象です。世帯内で失業した方がいれば〇をして退職年月日などを記入します。

⑥ 継続希望1,2・・記入不要です。翌年から申請書を提出することなく自動で審査が行われます。

5-3.提出先は

住民票の住所地管轄の年金事務所、もしくは市区町村の国民年金課に申請書と添付書類を添えて送ります。まずは、事前に相談してから郵送したほうが無難です。

添付書類

・運転免許証、パスポート、在留カードなど

・年金手帳もしくはマイナンバーカード(表裏)のコピー

・失業等による申請は、「雇用保険被保険者離職票」、「雇用保険受給資格者証」などの控え

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6.Q&Aと留意点

最後に免除申請でよくある疑問をご紹介いたします。

退職して収入がないのに申請が却下されました。

失業特例は、本人の収入は0円で計算されますが、世帯主や配偶者の方の収入状況は審査されますので却下されることがあります。

過去の未納分は免除申請できますか。

納付期限から2年を経過していない月分まで遡って申請できます。

免除制度は年金の支払いが困難な方へ負担軽減になりますが、追納しない限り、将来もらえる年金が少なくなります。

老齢年金額を増やすなら任意加入や繰り下げ、不足を補うならiDeCoなどでの積み立てを検討しましょう!

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