40代世帯の平均貯金額は?貯蓄額の相場を踏まえた老後資産の対策!

コラム
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40代はお金の動きが激しくなる世帯です。教育費や住宅ローンなどの支出を目下に、「他の人の貯金額ってどのくらいなんだろう?」と、気になる人も多いことでしょう。

この記事では、40代世帯の気になる貯蓄や負債の状況、平均額で見る貯蓄額の相場について解説します。

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1.40代はお金の心配が増える世代

厚生労働省の「2019年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳となっています。40代というと、平均寿命からみれば、ちょうど折り返し地点に差し掛かったあたりです。

40代世帯とは、実態としてどのような状況に置かれている人々なのでしょうか。

1-1.責任ある重要なポストを任される

仕事においては、ある程度の経験と実績を積み、管理職などの重要なポストを任されるようになる時期です。伴って年収も上がっていきますが、社内や社外での人脈も広がることでお付き合いの幅も広がり、支出が増えてしまう点も否めません。

1-2.子どもの進学資金に向けてお金を蓄える必要がある

厚生労働省の「人口動態統計(2019年)」によると、日本人の平均初婚年齢は夫で31.1歳、妻で29.4歳で、第1子出生時の母の平均年齢は30.7歳となっています。

つまり、40代といえば子どもが小学校高学年から大学入学に差し掛かる時期にあたります。

大学進学に向けた教育費の準備として、小・中・高と比較的余裕のある40代の間に、しっかりとお金を蓄えておかなければなりません。

1-3.住宅ローンや親の介護が心配になる

総務省の「住宅・土地統計調査(2019年)」によると、2018年度の持ち家比率は30代が35.7%であるのに対し、40代で57.6%と増加します。40代では半数以上の人が持ち家を抱え、住宅ローンを負担している人も多いでしょう。

また、40代になると親の年齢も70歳近くとなり、介護が必要な状態になるケースもあります。子育てをしながら親の介護も行なうといった状態で、支出面にも負荷がかかります。

2.40代世帯の貯蓄の状況

40代は仕事にも家庭にも、大きな責任と負担が伸し掛かる時期です。お金の動きも大きくなっていく時期ですが、40代世帯では平均でどのくらいの貯蓄があるのでしょうか。

2-1.40代世帯の平均貯蓄額は1,081万円

総務省統計局の「家計調査報告(2020年)」によると、2020年度の世帯主の年齢階級別貯蓄額は、下表のとおりです。

【年代別 平均貯蓄額】

全年齢平均 40歳未満 40〜49歳 50〜59歳 60〜69歳 70歳以上
1,791万円 708万円 1,081万円 1,703万円 2,384万円 2,259万円

40代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1,081万円となっています。

貯蓄額は年齢が上がれば上がるほど大きくなっており、全年齢平均では1,791万円、最も多いのが60代で2,384万円です。

2-2.平均貯蓄額を下回る世帯が3分の2を超える

40代に限った話ではありませんが、平均貯蓄額はあくまでも貯蓄金額の平均値であり、すべての世帯が同じように、これだけ金額を保有している訳ではありません。

全年齢平均は1,791万円ですが、中央値では1,016万円という状況です。貯蓄現在高の世帯の割合は下表のとおりです。

【金額別 貯蓄額割合】

区分 割合 区分 割合
100万円未満 10.1% 800万円〜900万円 3.3%
100万円〜200万円 5.8% 900万円〜1,000万円 2.7%
200万円〜300万円 5.3% 1,000万円〜1,200万円 6.0%
300万円〜400万円 5.2% 1,200万円〜1,400万円 5.0%
400万円〜500万円 4.5% 1,400万円〜1,600万円 4.1%
500万円〜600万円 4.5% 1,600万円〜1,800万円 3.3%
600万円〜700万円 3.8% 1,800万円〜2,000万円 2.8%
700万円〜800万円 3.8% 2,000万円以上 29.9%

貯蓄額が100万円未満の世帯は全体の10.1%、平均額1,791万円を下回る世帯は67.5%と、全体の3分の2以上を占めています。

子ども一人あたりの進学資金としては500〜600万円が必要といわれている中で、600万円未満の世帯も全体の35.4%です。40代世帯は決して余裕のある状態とは断言できません。

3.40代世帯の借入の状況

つぎに、40代世帯の借入(負債)の状況を見ていきましょう。

3-1.40代世帯の平均負債額は1,231万円

同じく総務省統計局の「家計調査報告(2020年)」によると、2020年度の世帯主の年齢階級別負債額と負債保有世帯の割合は、下表のとおりです。

【年齢別負債額と負債保有世帯の割合】

全年齢平均 40歳未満 40〜49歳 50〜59歳 60〜69歳 70歳以上
負債額 572万円 1,244万円 1,231万円 699万円 242万円 86万円
負債保有世帯の割合 38.5% 58.2% 66.6% 56.5% 27.6% 12.5%

住宅ローンの負担を中心として、負債も決して少なくない状態です。負債額は40代未満が最も多く、年齢が上がるにつれて少なくなっていきます。

住宅ローンを考えれば、借り入れた時点が最も高く、返済が進むにつれて少なくなっていくという形です。

負債保有世帯の割合では、40代世帯が最も高い状況です。住宅ローンに加えて教育ローンや介護費用など、40代世帯から開始される支出負担の多さを物語っています。

4.高齢者世帯の貯蓄額の実態

40代世帯が将来に向けて考えたいのが、老後に向けた生活費の準備です。

では、高齢者世帯がどのくらいお金を持っているのか、高齢者世帯の貯蓄額の実態を見ていきましょう。

4-1.65歳以上の平均貯蓄額は2,324万円

同様の統計データで見ると、65歳以上の高齢者の平均貯蓄額は2,324万円です。

また、中央値で見た場合は1,555万円となります。

65歳以上の貯蓄額別の世帯割合は下表のとおりです。

【65歳以上の貯蓄額別の世帯割合】

区分 割合 区分 割合
100万円未満 7.9% 800万円〜900万円 2.9%
100万円〜200万円 4.0% 900万円〜1,000万円 2.5%
200万円〜300万円 3.5% 1,000万円〜1,200万円 5.7%
300万円〜400万円 3.7% 1,200万円〜1,400万円 4.5%
400万円〜500万円 3.3% 1,400万円〜1,600万円 4.5%
500万円〜600万円 3.8% 1,600万円〜1,800万円 3.1%
600万円〜700万円 3.4% 1,800万円〜2,000万円 3.3%
700万円〜800万円 3.2% 2,000万円以上 40.7%

長期間の勤労や退職金の影響もあり、高齢者の貯蓄額は高くなっています。

しかし一方で、100万円未満の世帯は全体の7.9%、300万円未満の世帯も15.4%と少なくありません。

65歳以上となると勤労収入も得にくく、公的年金とこれまでの貯蓄で生活を行なっていく必要があります。「老後2,000万円問題」が話題となったように、老後生活に向けて着実に準備を行なっていく必要があります。

5.老後に向けた貯蓄の方法は?

将来の老後生活に向けて、どうやって準備を進めていくのが良いのでしょうか。

高齢者世帯の貯蓄資産の実態と、今後検討すべき老後資金対策について解説します。

5-1.貯蓄の方法は変化している

高齢者世帯の2020年度の種類別貯蓄方法を、5年前の2015年度と比較すると、下表のとおりです。

【高齢者世帯の種類別貯蓄方法】

通貨性

預貯金

定期性

預貯金

生命保険

など

有価証券 金融期間

以外

2015年 金額 464万円 1,108万円 389万円 440万円 15万円
構成比 19.2% 45.9% 16.1% 18.2% 0.6%
2020年 金額 618万円 920万円 397万円 348万円 9万円
構成比 27.0% 40.1% 17.3% 15.2% 0.4%
金額 154万円 -188万円 8万円 -92万円 -6万円
構成比 7.8% -5.8% 1.2% -3.0% 0.2%

5年前の2015年と比較して変化が見られるのが、通貨性預貯金の増加と、定期性預貯金の減少です。

つまり、「普通預金が増え、定期預金が減っている」と表されます。

マイナス金利の影響により、定期預金に預けても、ほとんど増えないうえに流動性(換金性)が低いという点が、定期預金離れの要因といえます。

また、自動引落やキャッシュレスサービスの普及により、流動性の高い普通預金口座にある程度お金を残しておかないといけないという、高齢者の金融行動の変化も表れています。

5-2.貯蓄から投資へ

高齢者世帯の貯蓄方法としてまだまだ普及は低いですが、マイナス金利が続く中で、資産形成には自身で積極的に取り組んでいく必要があります。

例えば、日本でも2001年より開始された「iDeCo」は、掛金全額が所得控除になるなどのメリットもあって人気を集めています。2017年より専業主婦や公務員でも始められるようになりました。

また、2014年よりスタートした「NISA」も、投資で得られた運用益が非課税になるなどのメリットがあります。

日本ではこうした税制優遇が受けられる制度を新設し、各個人が積極的に投資を始められるような法整備を行なっています。将来に向けた老後資金対策として、金融行動を「貯蓄から投資」へシフトしていくことが求められています。

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40代からでも遅くない!将来に向けた準備を始めましょう!

40代世帯の平均貯蓄額の実態について解説しました。しかし、これはあくまでも平均値であって、それぞれの置かれた立場や環境によって、貯蓄ができる状況は異なります。

平均値を見て不安に感じた人も、今からでも決して遅くはありません。しっかりと情報を収集し、積極的な資産運用を取り入れ、将来に向けた着実な準備を進めて参りましょう。

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