がん保険の選び方とは?加入する際に最低限知っておくべき基礎知識とメリデメ

医療/がん保険
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万が一がんと診断された場合に給付金が受け取れる「がん保険」、自分を守るための保険として検討している人も多いでしょう。

この記事では、がん保険の必要性やその仕組みについて、加入するメリットやデメリット、がん保険を選ぶポイントについて解説します。自分に合った保険選びの参考にしてください。

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1.がん保険とは?

国立がん研究センターがん情報サービスの2018年の最新がん統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性で65.0%、女性で50.2%といわれています 。

男女ともに2人に1人が、生涯のうちに何らかのがんと診断されている状況です。

また、生命保険文化センターによる「2021年度生命保険に関する全国実態調査」によると、がん保険の世帯加入率は66.7%で、年々増加傾向にあります 。

日本人にとって身近な病気である、がんに備えるための保険とは、いったいどのような内容の保険なのでしょうか。

1-1.がんの治療費をカバーするための保険

がん保険とは、がんと診断された場合の入院や通院、手術や投薬などにかかる治療費の負担をカバーするための保険です。

がんという病気は、かかった部位やその進行度合い(ステージ)によって、治療にかかる期間や治療方法は大きく異なります。

長期的な入院が必要な人や、手術が必要な人、通院しながら投薬を受ける人などさまざまです。

そうした理由から、自分がどんな状態でがんと診断されても、お金の心配をすることなく必要な治療が受けられるように備えるのががん保険です。

1-2.がん保険の保障内容はさまざま

最近では、さまざまなタイプのがん保険が保険会社各社から販売されています。

がん保険の主な保障内容は以下のとおりです。

がん保険を選ぶ際の重要項目になりますので、確認しておきましょう。

がん診断一時金

がんと診断された時点で受け取ることができる給付金です。

受け取り金額は50万円や100万円など、契約時に設定します。

一度にまとまった金額を受け取ることができ、治療費としてはもちろん、療養中の生活費をカバーすることも可能です。

がん入院給付金

がんの治療を目的として入院した場合に、入院日数に応じて受け取れる給付金です。連続した入院でなくとも、病状によって入退院を繰り返す場合にも、給付金を受け取ることができます。

がん通院給付金

がんの治療を目的として通院した場合に、通院日数に応じて受け取れる給付金です。

入院を伴う通院をカバーする内容が主流ですが、通院のみの治療をカバーする保険もあります。

がん手術給付金

がんの治療のために手術を受けた場合に受け取れる給付金です。

手術給付金の金額は、一般的に入院給付金日額の◯倍という形で決められています。

入院した場合に限らず、通院で手術を受けた場合(外来手術)でも給付金が受け取れる保険もあります。

放射線治療給付金

放射線治療を受けた場合に受け取れる給付金です。治療を受けた回数に応じて給付金が支払われます。

抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療を受けた場合に受け取れる給付金です。

治療を受けた月ごとに◯万円という形で支払われます。

がん先進医療給付金

がん治療を目的として、厚生労働大臣が定める先進医療を受けた場合に受け取れる給付金です。

先進医療は公的医療保険の対象外治療であるため、費用は自己負担となりますが、先進医療給付金があれば、技術料にあたる金額を受け取ることができます。

2.最近のがん治療の傾向

自分に合ったがん保険を備えるためには、最新のがん治療の実態を把握しておくことは重要です。

医療技術は日々進化していく中で、最近のがん治療はどのような傾向にあるのでしょうか。

2-1.入院期間の短期化が進む

厚生労働省の「患者調査(2017年)」によると、がんの平均在院日数は16.1日となっています 。

2008年の同調査では22.4日であり 、約10年間で6.3日間短縮しています。

 

入院期間が短期化するということは、その反面で通院による治療が増えていることを意味します。

かつては、がん治療といえば手術がメインでした。

しかし最近では、身体に負荷のかからない投薬などの科学療養が増えています。

こうした治療方法であれば、入院をしなくても、定期的な通院によって適切な医療を受けることができます。

ポイント

こうした傾向から、がん保険においても、入院期間に応じて支払われる入院給付金よりも、通院した場合に支払われる通院給付金や、まとめて一括で受け取れる診断一時金などに注目が集まっています。

2-2.治療方法の選択肢の増加

医療技術の進化によって、より効果の見込まれる治療方法や、身体に負担のかからない治療方法など、がん治療においても日々新しい技術や新薬の開発が進んでいます。

どのような治療方法を選択するかによって、負担すべき治療費の金額も変わります。納得し、安心して治療が受けられる方法を選択するためにも、がん保険による備えは有効かつ重要となります。

がんの治療は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

標準治療

科学的根拠に基づいた、最良・最善の治療方法です。

標準治療は「手術」、「化学療法(抗がん剤治療、ホルモン剤治療)」、「放射線治療」が3つの柱となっており、患者の状況(がんの進行度合い、年齢、体調など)から総合的に判断されます。

標準治療は公的医療保険の対象となり、健康保険給付が受けられます。現役世代の人であれば、治療費の自己負担は3割となります。

先進医療

厚生労働大臣が定める、最新の医療技術や薬を使用した治療や、高度な医療技術を用いた治療方法のことをいいます。

代表的な例では、一般的な放射線治療よりも高い効果が見込まれる「陽子線治療」や「重粒子線治療」などがあります。

先進医療にかかる技術料は、公的医療保険の対象外となり、全額が自己負担です。

標準治療と先進医療を併用した場合でも、先進医療にかかる部分は自己負担となります。

自由診療

厚生労働省からの承認は下りていないものの、海外では研究が進み実績が出ている治療方法のことです。

また、主治医以外の専門医から治療方法の可能性を探るセカンドオピニオンや、健康食品や体操などの代替療法なども、自由診療にあたります。

自由診療は公的医療保険の対象外です。

標準治療との併用も認められておらず、標準治療と自由診療を併用した場合は、標準治療にかかる費用も公的医療保険の対象外となり、全額が自己負担となってしまいます。

3.がん保険のメリット・デメリット

がん闘病に際し、治療費の負担増に対する備え、または働けない期間の収入減少に対する備えとして、がん保険への加入は有効な対策といえます。

がん保険に加入することのメリット・デメリットを解説します。

3-1.がん保険の3つのメリット

がん保険に加入することで得られるメリットは、以下の3つです。

メリット1.まとまった給付金が受け取れる

一般的に、がん治療にはお金がかかります。

療養が長期化する可能性が高く、治療費の負担はもちろん、通常通り働けない期間でも生活費の負担がのしかかります。

こうした経済的ダメージに対し、診断一時金や入院・通院給付金などのまとまった給付金が受け取れる点はメリットといえます。

メリット2.治療方法の選択肢が増える

早く直したい、身体への負担を減らしたいと考えた場合、先進医療や自由診療による治療も検討したいものです。

しかし、これらの治療は公的医療保険の対象とはならず、全額が自己負担となってしまいます。

がん保険に加入していれば、経済的な負担を軽減することで、自分が望む治療を安心して選択できるようになります。

メリット3.医療保険よりも保険料が安い

がん保険は、がんの治療に特化した保険です。

すべての病気やケガの療養を保障の対象としている医療保険と比べ、保険料が安く抑えられる点がメリットです。

がんは他の病気と比べて高額な治療費負担や、働けない期間の生活費負担が増える可能性があります。その点に不安がある人は、がん保険を備えておくことが得策です。

3-2.がん保険の3つのデメリット

反対に、がん保険のデメリットといえる点は、以下の2つです。

デメリット1.がんの治療のみが保障の対象となる

がんに特化した保険のため、保険料は医療保険と比べて安く抑えられますが、がん以外の病気には保障が受けられないのはデメリットといえます。

がんの備えに加えて、がん以外の病気にも備えたいなら、医療保険にがん保障の特約を付帯するのが良いでしょう。

デメリット2.90日間の待機期間がある

がん保険には加入してから保障を受けられるまでに、90日間の待機期間があります。

この期間は免責期間となり、がんと診断されても給付金が受け取れません。

よって、既にがんと診断されている人や、健康状態に不安があり待機期間の90日以内にがんと診断される可能性が高い人は、加入するのは難しいでしょう。

4.がん保険の選び方のポイント

がん保険は多くの保険会社で販売されており、その商品の特徴はさまざまです。

がん保険を選択する際に、おさえておきたいポイントを解説します。

ポイント1.保障期間はいつまであるか?

がん保険には、30年間や60歳までといった、一定期間を保障する「定期型」と、一生涯保障が続く「終身型」とがあります。

自分が加入を検討するがん保険が、いつまで保障が受けられるかは必ず確認しましょう。

がんは年齢が高くなるほど、罹患するリスクは男女ともに高くなります。

しかし、経済的ダメージが大きいのは、生活費に加えて教育費や住居費の負担が大きい、子育て世代です。

重要

罹患率は低いものの、罹患した場合に経済的なダメージが大きい子育て世代の間は、保険料を抑えながら一定期間の保障を強化する定期型で備えましょう。

罹患率が高いものの、経済的ダメージがそれほど大きくない高齢世帯であれば、一生涯を保障できる終身型に加入するのがおすすめです。

ポイント2.診断一時金の給付があるか?

がんと診断された段階で給付金が受け取れる、診断一時金が受け取れるかどうかは、重要なポイントといえます。

診断一時金が受け取れる保険を選びましょう。

診断一時金は入院や通院の有無や期間に関わらず、医師によりがんと診断された段階で受け取れます。

その使徒は治療費だけでなく、生活費の補填などにも活用できるため便利です。

診断一時金は、初回のみ1回受け取って終了するものと、治療が続く限り1年に1回など複数回受け取れるものとがあります。

がんの治療は長期化したり、再発や転移の可能性もありますので、複数回受け取れるものを選択しましょう。

ポイント3.上皮内新生物も保障されるか?

がんはその状態に応じて、2つの種類に分けられます。

  • 悪性新生物
  • 上皮内新生物

上皮内新生物とは、下部組織に浸潤していない軽度のがんで、再発や転移の可能性も低く、治療費負担も比較的軽くなります。

がん保険によっては、この上皮内新生物を保障の対象外としているものや、給付金を削減しているものがあります。

保障される範囲は事前に確認しておきましょう。

5.「病は気から」、がん保険で不安を解消しましょう!

がんという病気は、治療費負担による支出の増加ともに、長期的な療養によって働けない期間が続き、収入にも大きなダメージを与えます。

経済的な不安は、精神面にも大きな影響を及ぼしてしまいます。

「病は気から」という言葉もあるように、病気を治すためには精神面も大切です。経済的な不安を和らげることができれば、病気としっかりと向き合えるようになるでしょう。

がん保険のメリット・デメリットを理解し、その特徴を十分に理解したうえで、自分に合った安心できるがん保険を備えましょう。

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