郵便局や地方信用金庫を中心に、銀行などの金融機関では年金相談を行っていますが、郵便局や銀行が年金相談をする目的は何なのでしょうか?年金事務所での年金相談の違いはどんな点でしょうか?
今回は、銀行が年金相談をする目的について簡単に説明します。
1.銀行の年金相談の概要
まずは、銀行や信用金庫に行っている年金相談について説明します。
年金相談の対象としては、これから年金を受け取る人50代~60代の世代が中心で、実施頻度は毎月1回程度が多いようです。
相談員として、社会保険労務士などの年金の専門家を招くケースも多く、相談者の状況に寄り添った、専門的なアドバイスを受けることが可能です。
もちろん相談手数料などはかかりませんので年金をこれから受給する方にとっては大きなメリットになるでしょう。
実りある相談にするために、ねんきん定期便などの加入歴のわかる書類をあらかじめ用意しておくとスムーズです。
2.銀行が年金相談をする目的は?
2-1.預金者のベネフィットの一環として
一つは、預金者へのサービスの一環として、情報提供という目的があります。
無料相談ですので、営利企業である銀行がそのようなことをするか?と勘繰られるかもしれませんが、相談を提供することで、副次的に銀行への満足度が上がる効果があります。
満足度が上がれば信頼度も上がるため、銀行にメリットがある施策と言えるでしょう。
2-2.年金の受け取り銀行にしてもらうため
もう一つの目的は、ズバリ公的年金の受け取りを自行にしてもらうためです。
公的年金や給料などの受け取り口座に指定すると、必然的にその口座はメイン口座になります。
生活のメインである公的年金や給料などを受け取る口座に指定するとメインカードとして使ってもらうメリットがあるのです。
当然、メイン口座として使ってもらえると、クレジットカードの利用や投資信託などの資産運用などもメイン銀行で行いたいと思う人が多いので、公的年金の受取口座を指定してもらうのは大きなメリットが銀行にはあります。
2-3.保険や投資信託などを併売するため
年金相談を受けると、銀行が取り扱っている保険商品等のセールスを受ける可能性があります。
年金相談の過程で、現在の収入や預金額など、資産に関する具体的な話をする必要があります。
銀行からすると、現状の資産が把握できますので、年金相談は保険や投資信託の提案が非常にし易い状況と言えます。
もちろんご自身が納得のいく良い商品であれば良いですが、一般的に銀行は手数料の高い商品を売りたいので勧誘された商品が本当にご自身に合っているかどうか判りません。
セールスを受ける場合は、できるだけ比較検討するようにしたいものです。
2-4.クレジットカードやキャンペーン商品のセールスをするため
保険だけでなく、クレジットカードや、自行の決済商品のセールスを受ける可能性もあります。もちろんおすすめされるサービスのスペックが高ければ良いですが、そうとはいい切れない場合があります。
このように、自身の資産状況や相談をした手前、セールスが断りづらくなるのも、銀行が年金相談をする理由でもあるかもしれません。
3.銀行の年金相談のメリット
年金相談自体は、年金事務所でも無料で相談することができます。
参考
年金事務所は、公的な役所ですので、専用の端末を使って情報にアクセスできますので、自身の年金の加入履歴、見込み額など、具体的な相談が可能です。
年金事務所での相談方法や予約に関する記事はこちらをご覧ください。
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一方、銀行や郵便局での年金相談は、どうしても「年金の見込み額」となり、正確な計算は難しい場合が多いです。
それでも、金融機関での年金相談を受けるメリットがあります。それは、以下の点です。
親身になって相談に乗ってくれる
役所である年金事務所の相談員が、どこまで親身になって相談に乗ってくれるか疑問だ、という方もいらっしゃいます。自分にメリットのある提案が受けられるのか不安という声もあります。
役所である年金事務所と比べて、銀行は民間業者です。
民間業者であることから、前述のとおりの目的があるのは当然で、裏を返せばそれだけ親身になって相談に乗ってくれるということが言えるかもしれません。
また、銀行での年金相談には、社会保険労務士等の専門家や、FP、他にも年金アドバイザーなど民間資格を保有するベテラン相談員が多いのが特徴です。
銀行も相談員に報酬を支払うわけですが、当然、評判の良い相談員でないと銀行の評判に関わりますので、親身に相談に乗ってくれる相談員が多いというのもメリットの一つです。
相談員の質という点では、銀行の年金相談にメリットがあるかもしれません。
4.銀行の年金相談はセカンドオピニオンとして相談してみよう!
年金制度は法律で決まったものですので、誰に相談してももらえる年金の見込みは大差ないかと思います。
重要!
しかし、もらえる年金を踏まえたうえで、どのような提案をするかは、人それぞれです。
自分が気づかなかった、申請できる年金もあるかもしれません。
そのため、年金相談は複数名に相談してみることが重要です。
そのうえで、自分の価値観に合致する資産運用を選ぶことが重要です。